「予感。九つの差異と一つの共鳴。」
8月8日に起きた水災で故郷を失った人々は、台湾高雄県の杉林に開設された農園“永齢農場”で新たな生活を送ることになった。この農園に集まった人々は、台湾原住民、客家人、閩南人、新住民であり、台湾の民族背景の縮図とも言える。日本人監督 二宮宏央は、農場[...]
「揺り籠の中の閑寂。哀しみの転移点。」
「耕耘之詩」第一章は、中国海南島出身、養生室で働く女性。水災後、住み慣れた場所を離れ、永齢農場で働いて7年になる。彼女は苗を赤子を世話をするように育てる。彼女は、幾多の困難も学びの一つだと言う。
*この映像は中国語のみとなります。[...]
「二層の望郷、遠き故郷。異国の隣人」
第二章の主人公は、ベトナム出身の女性。19歳で故郷を離れ、台湾に嫁いだ。しかし、結婚式の3ヶ月後に水災が発生。家を失う。その後、住む場所も職も定まらない日々を過ごし、遂に永齢農場で定住の場所を見つける。異国で故郷を想いながらも、暖かい仲間に囲ま[...]
「在るが儘の反復。反復が編む景色。」
第三章の主人公は、客家人の女性。彼女は被災した他の人物たちと違い、杉村の土地に元々暮らす住人だった。7年前に農場に入り、砂利まじりの荒れ地を耕し、運河を掘って土壌を耕し、ここを肥沃な土地に変えた。今日も彼女は田圃を往復し、腰を曲げては伸ばし、自[...]
「離れつつも故郷を身体に宿す。帰郷する人。」
第四章の主人公は、台湾原住民ブヌン族の女性。彼女は山上で茶畑を耕していたが、8月8日の水災によって故郷を離れ永齢農場で働くことになる。たとえ故郷を離れても、彼女の喜びは自然の恵みを感じること。困難に直面しても歌い、涙を拭いて、自慢の収穫[...]
「境界に立った人間の選択。愛は尽くす。」
第六章の主人公は、台湾原住民平埔族の男性。山で生まれ育った彼は、若くして故郷を離れ都市で働いていた。8月8日、高雄の病院で母を看病していた時、ニュースで故郷の村が壊滅したと知る。多くの親族を一瞬にして失うことになる。その後、母と暮らすために[...]
「境界に立った人間の選択。愛は尽くす。」
第六章の主人公は、台湾原住民平埔族の男性。山で生まれ育った彼は、若くして故郷を離れ都市で働いていた。8月8日、高雄の病院で母を看病していた時、ニュースで故郷の村が壊滅したと知る。多くの親族を一瞬にして失うことになる。その後、母と暮らすために[...]
「農園の中の都市の時間。守護者。止まらない男。」
第七章の主人公は、台湾原住ブヌン族の男性。8月8日、一撃の爆音と共に土砂崩れが襲い、家と故郷を失う。山間に閉じ込められた彼とその家族は、空腹に苦しみながら救助ヘリを待った。現在、永齢農場に居場所を見つけた彼は、出荷される野菜の加工管[...]
「指揮者の孤独。鏡の中の農園」
第八章の主人公は、台北出身、永齢農場のCEO。一般的なリーダーの努めでは収まらない永齢農場で、彼女は何を考え、何に苦悩するのか。農園に従事する人物の個性を見極め的確な役割分担を行い、全ての人を活かすその手腕の裏には、尽きることのない被災者への慈しみが[...]
「喪失を埋め合う二人。空白に対流する二つの想い」
第九章の主人公は、台湾原住ブヌン族の夫婦。水災後、永齢農場で彼女は、農園で採れた収穫物を使ってシェフの仕事をしている。夫は、修繕の仕事に就く。水災で大切な人を失った二人は、立ち上がり、支え合い、生きる。
*この映像は中国[...]
「個と個は融け合う。始まりの時。新たな事実。」
最終章。彼らの悲しみと勇気は、民族を越え国境を越え、人生に苦難を経験した全ての人に捧げられる。本作の撮影中に、監督と音楽プロデューサーは祝福の歌を作り、皆で歌うことを提案した。
*この映像は中国語のみとなります。