パトロールマンは、音楽の懐古趣味に陥らない。けれども、かつての音楽が始まった時の鮮烈さも忘れていない。パトロールマンは、2人のアンバランスな状態であることで常に、音楽が起こる要因を用意しているように見える。「決めない」「固めない」「動いていく」「わからないことが一番おもしろい」パトロールマンは、歳を経たミュージシャン2人が挑む知的で果敢な、原点回帰の方法論。2人の終わらないスピンオフは、いつまでもミュージシャンが、ミュージシャンであれるための数少ない成功例を見せてくれるかもしれない。そして、そんなパトロールマンの姿は、音楽以外の制作者にも大切なものの生かし方を気づかせてくれるはずだ。