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MY7_JP_カンパケ.Still014



映像の仕事をしていると、海外に行く機会が多くあります。
最近は特に、この”Moving You”シリーズの撮影のために
旅行では、なかなか行けない場所に行くことが増えました。

とくに海外展開の迫力が桁違いのヤマハ発動機さんのドキュメンタリーであるので
サンパウロではマシンガンを持った警察の機動隊と一緒に行動したり
北極圏ではマイナス30度の雪原で北方民族を食事をしたり
稀有な経験を沢山させてもらっています。

どうやら「旅」というのは奇妙な効果があるようです。
本人の意思とは別に、何処へ旅したかでその人にタグが付く。
人が行けない場所に行けばいくほど、タフでグローバルなイメージのタグが付きます。
私にも、最近そういうタグが付いてきているようです。

しかし当の本人としては必要とされて呼ばれない限り、自ら海外に行こうと思う意思のない人間です。
私にとっての興味の中心は日本であって
海外に行く前に日本への興味を満たすだけで一生が終わってしまう気がします。

そんな私ですから、海外にいくと、日本と“違うもの”よりも
日本と“同じもの”に興味を持ってしまいます。サハラ砂漠にいても
変わらないものを探してしまうのです。

前置きが長くなりましたが、今回の”Moving You vol.7″は
アフリカの土地にいながら日本と“同じもの”を沢山見つけることのできた映像です。

かつて、社会人類学者のレヴィ=ストロースは日本に訪れたときに
日本人の「労働観」に興味があると言ったそうです。日本人の労働観は世界に類をみないものだと。
彼は、日本人の「働く」という観念が他国とは全く違うと語り
そして輪島や京都の職人たちを見てまわったようです。
今回の撮影では、その意味を実感することができました。

vol.7の主人公、ヤマハ発動機の野崎さんは長崎県天草の船大工の家に生まれ
木造船から、最先端のレースヨットまで造船を知り尽くした方です。
彼は、サハラ砂漠と大西洋の異国の中にいても、徹頭徹尾、日本人です。
宗教と文化の違いを、日本人のスタイルのままで越境していきます。

彼のその揺らがない姿勢の根底には、“働く”ことへの人生を賭したプライドがあります。
ただひたすら、誰かに見られていても、見られていなくても
このように働くことへの信念を貫く民族は
レヴィ=ストロースの言うように、やはり特殊なのではないかと思います。

いま、日本では、世界に誇る日本のものづくりと自負をしますが
その、ものづくりの手前にあって忘れてはいけないのは
野崎さんのように“働く”ことを貫くということではないかと思います。

このようなことは、非効率な精神論のように聞こえてしまうかもしれません。
ですが、モーリタニアからは、野崎さんの日本の徒弟制度を元にした技術指導が今、高く評価されています。
そして、今回の映像の中には出てきませんが
モーリタニア、ヌアディブの港には野崎さんと同じように働く日本人が何人も活躍しています。
異国の海が発展していくことを夢見て
真っ黒に日焼けして砂嵐の中を奔走する日本人たちがモーリタニアにはいます。

その様な姿を見ていると、日本人が世界とつながっていける言語は、グローバルな思考の中だけではなく
極めてローカルな日本の中にこそ重要なものはあるのではないかと考えさせられます。

今はまだ分岐点を迎えたばかりのヌアディブの港ですが
5年後10年後には、世界に引けをとらない立派な港になることと思います。
きっと、その時には、関わったモーリタニア人の心に
支えた日本人たちの姿が深く刻みつけられていることと思います。

このように人々が見過ごしてしまいそうな異国での出来事と、日本人の痕跡を
私たちは映像という役割をもって、世界に少しでも伝えることができたらと考えています。

是非御覧ください。



People may think that I’m a tough, global traveler, who seeks for exotic adventures, such as going about in Sao Paulo being escorted by the police officers with machine guns, or eating with indigenous people of the Arctic Circle on the snowfield of -30 °C.

I appreciate that “Moving You”, commissioned by YAMAHA, has lead me to these precious experiences, but I myself would not have even dreamed of them, as my personal interest has been focused on Japan. I would rather wander around in Japan than in other parts of the world for the rest of my life…

That’s why I was to find something Japanese even when I was in the Sahara.

The Moving You vol.7 presents you something very Japanese I witnessed in Mauritania, the country of the Sahara and the Atlantic in Africa. Here, you will meet Mr.Tsuneshige Nozaki of YAMAHA, a Japanese shipbuilding expert who was born in Nagasaki Prefecture as a son of shipwright. His expertise covers from a wooden vessel to a cutting-edge racing yacht.

Mr.Nozaki is Japanese from start to finish and crosses the border of religion and culture without altering his Japanese style. What I see in him is the pride for “working”, which reminds me of what Lévi-Strauss pointed out as the uniqueness of Japanese attitude for labor.

Mr.Nozaki is consistent in his belief of working, which is controlled not by surveillance, but by his own autonomy. He, together with many other Japanese who are working at the port of Nouadhibou, is the embodiment of the Japanese work ethic. YAMAHA’s development aid project is highly appreciated in Mauritania not only for their skills to be taught, but also for their existence as the catalysis, which triggers the urge to learn new skills.

I’m positive that the Nouadhibou will become a worldly known port in the near future, and what Japanese workers have left will remain to exist in the Mauritanians’ mind.

Would it be too much if I say that we Japanese can be connected to the people globally through something very Japanese? I would like to see more evidence for supporting my hypothesis, and share the evidence with you, if I could find any, through the images.

Please join us and listen to what Mr.Nozaki has to tell in Moving You vol.7!

(Director Nino)


Moving You Vol. 7 “メイド・イン・モーリタニア 国境を越えた師弟関係” (Japanese)

Moving You Vol. 7 “メイド・イン・モーリタニア 国境を越えた師弟関係” (Japanese) from Yamaha Motor Moving You on Vimeo.

Moving You Vol. 7 “Made in Mauritania: An Instructor-trainee Relationship without Borders” (English)

Moving You Vol. 7 “Made in Mauritania: An Instructor-trainee Relationship without Borders” (English) from Yamaha Motor Moving You on Vimeo.

YAMAHA MOTOR “Moving You”
global.yamaha-motor.com/jp/yamahastyle/movingyou/ (Japanese)
global.yamaha-motor.com/yamahastyle/movingyou/ (English)

Produced by CHANCE MAKER Film Connections
Director: Hiroo Ninomiya (CHANCE MAKER , INSPIRING PEOPLE & PROJECTS)
Cinematographer: Masato Indo (INSPIRING PEOPLE & PROJECTS)
Original Music: Takeo Toyama