Blog

IMG_4982



いま撮影のために南インドのチェンナイ郊外に滞在している。
撮影現場のスラム地区は、貧しくもあるが、人々は真っ直ぐで、
喜びも悲しみも、真っ直ぐに受け止める。

スラムに住む被写体の19歳の青年にインタビューをした。
私は尋ねた、あなたの夢はなんですか?
彼は少し考え答える。
僕には個人的な夢はありません。

彼が願うは、父と母と弟と妹が幸せになることだけ。

経済的な苦境が彼をこう育成させた。
経済的に豊かであることを良しとした場合には、彼の境遇は貧しくあるだろう。

12月になろうとする南インドの日差しは強い。
砂埃を透かした黄色い光は整頓されていない道を照らしている。
家から出て来る彼は、小さな弟の手を握っている。
時折見せる彼の笑顔は、南インドの光の中に愛を溢していた。

夢はないが、彼には意志がある。
世界を旅をしていて、頻繁に見る景色だ。
経済の尺度からは隠蔽された、もう一つの人間の尺度。
アフリカでも、北極圏にも、モンゴルにも、私はそれをみた。

12月3日に、京都で1本の映像を上映する。
60分のドキュメンタリーだ。今後、モンゴル国営テレビで放送される以外は公開される予定はない。

ロシア国境にある遊牧民の聖地で、私達は1人の自然保護官に出会った。
自然保護官の名は、ダラバヤル・バーサイ。
その名を知る人はモンゴルの草原の中にしかいないだろう
彼は草原で生まれ、今は政府の機関で働く。
大地と人の接続点に住む人。彼もまた、異なる尺度の世界に住む人だ。
強靭で愛に満ちたダラバヤルの声は、大地から吸い上げられて言葉になる。

撮影を終わった時に、私達はダラバヤルに祝福された。
あなたたちの撮影は善ある行為だ、自然の恩恵があなた達の生活を幸せにしますように。
彼は言った。

私達の制作にも、意志がある。
人が見過ごしたもの。経済や情報が追いやったものを、
証明しては、その豊かなソースを分かち合わなければいけない。

12月3日、たった1度の上映。
1人でも多くの人と分かち合えますように。

YAN
監督 二宮宏央




YAN, SCREENING ON THE BORDER Vol. 1
“Moving You 09 – Northern Mongolia’s Durable Duo”
12/3 (Sat.), 2016
14:30 open / 15:00 start – 18:30
@ Wanderers Stand 2F

意味は差異から生まれる。
この国とあの国。社会と社会。文化と文化。私の表現とあなたの表現。
彼岸と此岸がせめぎあい、干渉しては、描き出す境界線は、争いの線でもあり、愛の線だ。
私が、境界線上に三脚を立てたその時に、あちらの世界はどう写るのだろう。こちらの世界はどう写るのだろうか。
境界線を見つけるスクリーニングシリーズ、第1回。



1. SCREENING
“Moving You 09 – タフネス。大地を護る。Northern Mongolia’s Durable Duo”
ディレクターズカット版60min.


首都ウランバートルから北西へ1,000km。ロシア国境にフブスグル湖がある。そこは、遊牧民にとっての聖地であった。
しかし、儚くも豊かな聖地は、人間の欲望に晒され、やがて壊れようとしていた。
故郷を護るために立ち上がった遊牧民レンジャーと、それに共鳴し支援する日本人とのドキュメント。
日本とモンゴル、2つの異なる文化を繋いだのは、1台のプロダクトの存在だった。
2012年から世界各地で撮影を続ける、ヤマハ発動機(株)のドキュメンタリーシリーズ「Moving You」の第9作モンゴル篇を再編集したディレクターズカット版。

監督 : 二宮宏央, 撮影 : 印藤正人, 音楽 : トウヤマタケオ


Film_1
Film_2
Film_3
Film_5
Film_4
Film_6


2. SPEECH
上映映像にまつわる思想とプロセス、背景についてのトークを行います。

映像監督 二宮宏央 / Hiroo Ninomiya [YAN]
故郷奈良にて春日大塗師職預、樽井禧酔氏に師事し漆芸を学んだ後、TVディレクター中田勝之氏から映像演出を学ぶ。2012年、ドキュメンタリーシリーズ”Yamaha Moving You”の監督を開始。同年、“INSPIRING PEOPLE & PROJECTS (IPP)” の開始と共に、“CHANCE MAKER”を立ち上げ、多数の映像のディレクションを担当する。2016年、映像表現のための新体制“YAN”の活動が始まる。
http://chance-maker.jp/



3. FOOD
映像の舞台であるモンゴルにまつわる軽食をお楽しみいただけます。

シェフ 船越雅代 / Masayo Funakoshi [Food Anthology]
Pratt Instituteでアートを専攻後、料理に表現の可能性を見出し、NYの料理学校を卒業。BlueHillをはじめとするNYのレストランに勤めた後、ヨーロッパからアジアを放浪。オーストラリア船籍の客船のシェフとして大西洋を巡り、バリの老舗ホテルのシェフ、京都でレストランkilnの立ち上げに参加しシェフ/ディレクターを務め、現在 Food Anthology 代表。国内外でサステナブルな食・文化・アート・デザインを融合した活動を展開中。東アジア文化都市 2016 奈良市 食部門ディレクター。
https://instagram.com/masayofunakoshi/


Trailer

YAN, SCREENING ON THE BORDER Vol. 1 “Moving You 09 – Northern Mongolia’s Durable Duo” from CHANCE MAKER Film Connections on Vimeo.



ご予約はこちら:https://goo.gl/forms/G9Cr3OkwT0CmIrdk2
※事前の参加予約が必ず必要です。


日時:2016年12月3日(土) 開場 14:30 / 開始 15:00 / 終了 18:30
会場:@Wanderers Stand 2F(600-8321 京都市下京区八百屋町58イチハタビル2F
入場料:2,500円 (フード、ドリンク含む)
定員:40名
お問い合わせ: Wanderers Stand / info@chance-maker.jp



Profile of “YAN”


Test_weblogo1
Yanとは、中国語で雁の意味。
Film on the border-境界線上のフィルムをイシューとして、監督二宮宏央と、カメラマン印藤正人とが中心になって映像表現を行うチーム。2016年より活動開始。現在、複数の長編映像の制作を行っている。



Profile of “WANDERERS”

Wanderers
Wanderersとは”放浪する人たち”の意。旅する表現者の中継地になることを目的に活動を開始したプロジェクト。
最初の活動として、コーヒースタンド「Wanderers Stand」を京都、五条西洞院下るにオープン。
https://www.instagram.com/wanderers_stand/ , https://www.facebook.com/wanderersstand/




Presented by
CHANCE MAKER http://chance-maker.jp/ , https://www.facebook.com/chancemakerinc